こんにちは!パッシ部長の佐久間です。
家づくりで多くの方が求める「冬暖かく、夏涼しい暮らし」。
しかし、この“快適さ”は単純に「気温」だけで決まるわけではありません。
実は、人が快適と感じるためには、
熱の伝わり方(熱伝導・放射・対流)、湿度、気流、そして着ている服の量や代謝(動いているかじっとしているか)
といった複数の要素が関わっています。
今日は人が快適と感じるメカニズムをわかりやすく解説します。
■ 快適さを決める6つの要素
① 室温(空気温度)
人が心地よく感じる一般的な目安は、
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冬:18〜22℃
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夏:26〜28℃
ただし、同じ温度でも“環境条件”によってまったく違う温感になります。
② 表面温度(壁・床・天井の温度)
熱は高いところから低いところへ流れます。
寒い季節、壁や窓の表面温度が低いと、身体の熱が奪われて「寒い」と感じるのはそのためです。
これは放射(輻射)冷却と呼ばれ、人間が最も敏感に感じる不快要因の一つです。
しっかり断熱された家は、壁・床・天井の表面温度が安定し、体感温度も向上します。
③ 気流(すきま風・エアコン風)
わずか0.2〜0.3m/s の気流でも、人は「寒い」「風が当たる」と感じます。
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すきま風
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エアコンの風
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温度差による対流
気密性能が高い家は不必要な気流が起きにくく、快適さがぐっと増します。
④ 湿度
体感温度に大きな影響を与えるのが湿度です。
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冬:40〜60%
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夏:50〜65%
湿度が高いと同じ温度でも暑く、乾燥していると寒く感じます。
⑤ 着衣量(Clo:クロ値)
人が着ている服の量も体感温度を大きく左右します。
これはClo(クロ)値と呼ばれ、数値が大きいほど暖かく、数値が小さいほど涼しく感じます。
例)
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半袖Tシャツ → 0.3 Clo
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長袖シャツ → 0.5 Clo
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厚手のセーター → 0.7〜0.8 Clo
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冬の室内着(重ね着) → 1.0 Clo 以上
つまり、
暖かい服を着ていれば室温が低くても快適に感じ、薄着なら高い室温でも寒く感じる
ということです。
住宅の温熱環境と合わせて考えることで、無理のない省エネな暮らしに繋がります。
⑥ 代謝(Met:活動量)
人がどれくらい動いているか=代謝(Met) も快適さに影響します。
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睡眠:0.7 Met
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座っている状態:1.0 Met
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料理・掃除など軽作業:1.6〜2.0 Met
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立ち仕事:1.2〜1.4 Met
じっとしている状態ほど代謝が低く、身体があまり熱を作らないため寒く感じます。
逆に動いていると熱を生み出すので暖かく感じます。
■ 断熱+気密+湿度コントロールで“快適さはつくれる”
ここまで見てきた要素は一つひとつ重要ですが、最も大切なのはバランスです。
特に家づくりでは、
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室温
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表面温度
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気流
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湿度
この4つを“建物側で整える”ことが重要です。
断熱と気密性能が高い家は、
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温度ムラが小さい
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表面温度が安定
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余計な気流がない
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湿度管理がしやすい
このため、少ないエネルギーで“快適”が手に入ります。
■ 快適な家は “温度のムラが少ない家”
人は、温度が均一であるほど快適を感じます。
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天井と床の温度差
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部屋ごとの温度差
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壁・窓の表面温度の差
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風が当たるかどうか
これらが整っていると、身体から無駄に熱が奪われないため、自然と快適になります。これを僕は「温度のバリアフリー」と呼んでいます!
■ まとめ:快適さは「人」と「家」の両方でつくるもの
快適を感じる条件=建物側の性能 × 人の状態(服装・代謝)
建物が整えば整うほど「薄着で快適」「どの部屋も温度差が少ない」といった暮らしが実現できます。
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冬はヒートショックのリスクを下げる
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夏は熱中症リスクを下げる
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光熱費を削減
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年中ずっと気持ちよく暮らせる
Next Design Home で大切にしている考え方です。是非快適の本質を理解して「家時間」を最高にして頂きたいとおもいます!^^
NextDesignHomeパッシ部長 佐久間