こんにちは!パッシ部長の佐久間です。今週今年初めて外に出て息が白くなりました。気持ちのいい季節はとても短く、あっという間に冬がやってきます。みなさん冬支度は少しずつ始めていらっしゃいますか?NDHの建築エリアは「夏暑く、冬寒い」エリアになります。和歌山と聞くと温暖なイメージを持たれる方も多いですが、実はヒートショックの患者数や搬送数を紐解くと全国でもトップレベルに和歌山は患者数が多いです!しっかりと住宅の性能を高め、快適で健康に暮らして頂けるよう活動して参ります(^^)
🌿住宅における「窓」の本当の役割と、パッシブデザインの考え方
さて、今回は「窓」をテーマにお話します。家づくりを考えるとき、多くの方が間取りや外観・設備に目を向けますが、実は「窓」こそが快適で省エネな住まいを左右する重要な要素です。
とくにNDHが本気で取り組む「パッシブデザイン(自然エネルギーを上手に利用する設計手法)」では窓の役割を正しく理解し、最適に配置することが何よりも大切です。
今回は窓の基本的な役割に加えパッシブデザインの視点からも解説していきます。
1. 自然光を取り入れ、明るく健康的な空間をつくる
窓の最も基本的な役割は「採光」です。
自然光がしっかり入る家は、照明に頼らずとも明るく気分まで明るくなります。
パッシブデザインでは、南面の大きな窓から冬の日射を積極的に取り入れることが重要です。
一方で、夏の強い日差しは庇(ひさし)や外付けブラインドで遮ることで
四季を通じて心地よい明るさと温度を保つことができます。
2. 風を利用してエアコンに極力頼らない心地よさを
窓は「通風」を生み出す装置でもあります。
パッシブデザインでは風の流れを読むことも大切です。
例えば南から北へ抜けるように対角線上に窓を配置することで
自然の風が室内を通り抜け、蒸し暑い日でも快適に過ごせます。
また、高窓や縦すべり出し窓を活用すると温かい空気を上から逃がすことができ
エアコンを使わなくても室温を安定させやすくなります(立体通風といいます)
3. 外とつながる「景色の窓」が心を豊かにする
窓は単なる開口部ではなく、外の自然とつながる装置でもあります。
庭の緑や空を切り取るような窓は、日常の中に季節の変化を感じさせ心を穏やかにしてくれます。
パッシブデザインでは、「見える景色」も設計の一部と考えます。
リビングの大窓を南側に向けて日射を取り込みつつ視線の先に木々の緑を配置することで、エネルギー効率と心理的快適さを両立できます。
4. 熱をコントロールし、快適で省エネな暮らしに
住宅の中で熱の出入りが最も多いのは「窓」です。
そのためパッシブデザインでは窓の性能と位置の計画がとても重要になります。
冬は南からの太陽熱を取り込み、夜間の熱損失を防ぐために高断熱サッシ+Low-E複層ガラスを採用。
さらにガラスの使い分け(日射取得型or日射遮蔽型)もそれぞれの方角に適した選定をします。
夏は直射日光を遮るために庇やルーバーを設け、室温上昇を防ぎます。
このように窓を通じて自然の力を「取り入れる」と「遮る」を上手にコントロールすることがパッシブデザインの基本にして
最大の奥義となり、冷暖房に極力頼らない省エネな暮らしにつながります。
5. 安心・静音を守る機能性も大切に
窓は外部と接する部分ですから、防犯性・防音性も重要です。
たとえば、交通量の多い道路に面する窓には防音タイプを、
人通りの少ない面には防犯ガラスを採用するなど「環境に応じて最適化する」ことが基本です。
6. デザイン性と性能を両立させる
パッシブデザインでは、見た目だけでなく機能と美しさのバランスが求められます。
窓の形や配置によって、外観デザインにも個性が生まれます。
たとえば、南面の大窓で採光と暖かさを確保し、北側には高窓で柔らかな光を取り入れるなど
デザインと機能を一体化させることで、無理のない心地よさを実現します。
まとめ:窓は“デザイン”ではなく“設計”の要
窓は「光」「風」「景色」「熱」「音」「安全」――
住まいに欠かせないあらゆる要素を担う、まさに家の性能を決めるキーパーツです。
そして、パッシブデザインの考え方を取り入れることで、
その窓がただの開口部ではなく、自然と共に生きる仕組みになります。
家づくりを考える際は、間取りやデザインと同じくらい、
“窓の位置と性能”にもぜひ目を向けてほしいなぁと思います!
NextDesignHomeパッシ部長 佐久間
