こんにちは!パッシ部長の佐久間です。
今では当たり前に聞かれる「省エネ」というワードですが、なぜここまで叫ばれるようになったのか皆さんご存じでしょうか?僕はForward to 1985という団体に所属しており、そこで「暮らし省エネマイスター」を取得しています。参照→https://to1985.net/
今回は省エネのプロ視点から「日本のエネルギー問題」と「省エネ住宅の必要性」についてお話ししたいと思います。なぜ省エネ住宅がこれほど重要視され、法整備もされているのか?その背景には、日本が抱える深刻なエネルギー問題があります。
◆ 日本のエネルギー問題:3つの大きな課題
① エネルギー自給率の低さ
日本のエネルギー自給率は約12.1%(2022年度、資源エネルギー庁より)。
つまり、私たちが使うエネルギーの約9割近くを海外からの輸入に頼っているのです。特に原油やLNG(液化天然ガス)などの化石燃料は中東やロシアに依存しており、国際情勢が不安定になるとエネルギー供給にも影響を及ぼします。
② 温室効果ガスの削減目標と現実
日本政府は、2050年までにカーボンニュートラル(実質排出ゼロ)を掲げていますが、家庭部門はCO₂排出の約15%を占めるため、住宅の省エネ化は避けて通れません。特に断熱性能の低い既存住宅が多数存在しており、これが大きな足かせとなっています。
③ エネルギー価格の高騰と家計への影響
2022年以降、電気・ガス料金は軒並み値上がりしています。
省エネ住宅でないと、冷暖房費がかさみ、家計を直撃。今後もエネルギー価格の高止まりが懸念されるなか、住宅のエネルギー性能が暮らしの質に直結する時代です。
◆ 住宅の省エネ性能とは?カギは「断熱」「パッシブデザイン」「設備効率」
省エネ住宅とは、少ないエネルギーで快適に過ごせる住まいのこと。以下の3要素が重要になります。
① 高断熱性能(UA値)
壁・屋根・窓などの断熱材やガラスを強化し、外気の影響を受けにくくします。これにより冷暖房の効率がアップし、省エネにつながります。たとえば、HEAT20のG2レベルを満たすと、年間の冷暖房エネルギーが一般的な住宅に比べて30〜50%削減されます。
② パッシブデザイン
高断熱性能を最大限に活かす「パッシブデザイン設計」を採用することで高省エネルギーな住宅を実現することができます。
③ 高効率設備(給湯・照明・空調)
省エネ型エアコンやエコキュート、LED照明などを採用することで、日常生活のエネルギー使用を抑えることが可能です。近年はHEMS(家庭用エネルギー管理システム)によって「見える化」し、さらなる省エネ行動を促す仕組みも普及しています。
◆ なぜ今、省エネ住宅なのか?これからの家づくりに求められること
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災害や停電時のレジリエンス
高断熱・高気密の家は、災害時に冷暖房が止まってもしばらくは室温を保てる“パッシブ性能”を持ちます。 -
長期的なランニングコストの削減
省エネ住宅はイニシャルコスト(初期費用)はやや高めですが、光熱費の削減でトータルライフでみると大きなコストメリットがあります。 -
住宅の資産価値向上
今後は住宅の「エネルギー性能」が不動産価値にも影響を及ぼす時代。ZEB(ゼロエネルギー住宅)やLCCM(ライフサイクルカーボンマイナス住宅)といった高性能住宅が注目されています。
◆ まとめ|省エネ住宅は社会と家族の未来への投資
エネルギー問題は国の課題であると同時に、私たち住宅事業者にとっては大きな使命でもあります。
今後、住宅を建てる人・リフォームする方には「今の快適さ」だけでなく、「将来の安心」や「エネルギーへの責任」を考慮した家づくりを提案していく必要があると感じています。
省エネ住宅は、家族の暮らしを守る“盾”であり、未来の社会に貢献する“資産”です。
あなたの住まいも、そんな未来志向の家にしてみませんか?^^
NextDesignHomeパッシ部長 佐久間